• 脚本:吉田玲子 
    絵コンテ:石立太一 
    演出:石立太一、藤田春香、澤 真平
  • 作画監督:丸木宣明、高瀬亜貴子、明見裕子、丸子達就

感情を持たない一人の少女がいた。
少女は戦うための「道具」として生きていた。
名はヴァイオレット。

時は流れ戦争は終わり、新たな時代が始まろうとしていた。

戦地で傷ついたヴァイオレットはベッドの上で目を覚ます。
白くなめらかな両腕は、砲弾を受け銀色に輝く義手に替わっていた。
彼女に残されたものは、戦場の記憶と上官〈ギルベルト・ブーゲンビリア少佐〉が
最後に告げた言葉だけ。
だが、その言葉の意味をヴァイオレットは理解できずにいた。

そこへ、一人の男が現れる。元陸軍中佐のクラウディア・ホッジンズ。
ホッジンズはギルベルトに代わって彼女を迎えに来たと言う。
二人が向かうのは南部の港町・ライデンシャフトリヒの首都、ライデン。
活気あふれる人々、美しい港の風景、ライデンの街はヴァイオレットを迎え入れる。

新しい街でヴァイオレットは「自動手記人形」に出会う。
それは、依頼主の気持ちを言葉に代えて手紙に綴る仕事。
時には依頼主が胸のうちに秘めた想いさえもすくい取る。

ギルベルトがヴァイオレットに残した言葉―――「愛してる」
「自動手記人形」になればその意味がわかるかも知れない。

――「愛してる」が知りたいのです。――

それは、感情を持たず戦うための「道具」として生きてきたヴァイオレットが、
初めて示した意志だった。

1話のコンテ、演出を担当しました石立と申します。第1話ということで、随分悩んだことを覚えております。エピソードとして何を持ってくるべきか、キャラクターデザイン、背景、色彩設計、撮影処理。ここから始まる全てのエピソードの起点として、どう在るのがもっとも相応しいか。悩みました。
結果、ヴァイオレットという少女の魅力「愚かしいほどの実直さ、透明ではなく白」これを表現するならば、変に奇を衒わずに、そのまま、ありのままのヴァイオレットを素直に描く事が大切だと思いました。それは、彼女の存在そのものが美しいと、原作を読んで感じたからです。
その為に、この世界なりの「そのまま、ありのまま」をなるだけ素直に描き。そこに「真っ白な違和感」を存在させる。「彼女の見た世界」ではなく「世界を見た彼女」を描く。その客観的視点こそがこの作品に相応しいのではないかと。

彼女の成長とともに視点も変化していくかもしれません。ですがそれも含めて見ていただいた方に、「良かった」と言っていただける作品を目指して制作しました。最終話までお付き合いいただけたら幸いです。

素敵な作品に出演する事が出来感謝しています。
人の想いの優しさに触れて心が温かくなるのを感じる事が出来る、とても美しい作品ですのでどうか最後まで見守ってやって下さい。

1話いかがでしたか?『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』ならではの世界観が提示されていたと思います。
そして、まだまだ物語に謎が残されているので、ヴァイオレットにこれまで何があったのか気になった方が多いかもしれません。
演じるベネディクト・ブルーについては、アフレコの最初に石立監督から説明を受けて、そこで初めて彼がヒールの付いた靴を履いていることに気づいて驚きました。
何やら彼独特の美意識があるみたいです。
また、これからのお話でベネディクトと一緒に働いている郵便社の他のメンバーも登場するので、ヴァイオレットのこれからと共に、そちらにも注目していただけたら幸いです。